ドゥエイン・スウィアジンスキー『メアリー-ケイト』(2006)

メアリー‐ケイト (ハヤカワ・ミステリ文庫)

メアリー‐ケイト (ハヤカワ・ミステリ文庫)

毒を盛ったから、あなた十時間後に死ぬわ――バーで飲んでいたジャックは、隣の席に座った美女の言葉に耳を疑った。さらに、解毒剤がほしければいうことをきけといい、奇妙奇天烈な要求をしてくる。片時も離れず、女がトイレに行く時も一緒についてこいというのだ。やがてムラムラしたジャックは彼女に襲いかかってしまう。そんな馬鹿なことをしている間に悲劇は着々と進行し……予測不可能なタイムリミット・サスペンス。(裏表紙あらすじより)

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まあ、クライムノベルなのですが、とんでもない怪作です。あらすじと表紙だけ見て、さようならしてしまうのは少々もったいないかもしれません。

多くを語ることができないのは非常に残念なのですが、おおよそ四分の一ほどの部分で、「はぁ?! これどういうことなの?」と思考停止状態に陥るのは、ほぼ確実かと。

オフビートといいますか、全く予想外の展開を見せつつ、物語はあらぬ方向へ。最後は世界征服を企む悪の科学者まで登場するのだからすごい。このアメコミタッチのチープさ(実際作者はアニメーションの原作にかかわっているらしいです)は他にない味なので、「とにかくアホ面白い小説が読みたいんやー」という人にはオススメです。

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この作品は、今年のバカミス・アワードの候補作の一つでもあるそうですが、それもむべなるかなという感じですね。