レジナルド・ヒル『薔薇は死を夢見る』(1983)

薔薇は死を夢見る (ハヤカワ・ポケット・ミステリ―ダルジール警視シリーズ (1459))

薔薇は死を夢見る (ハヤカワ・ポケット・ミステリ―ダルジール警視シリーズ (1459))

ダルジール&パスコーシリーズ第7作。前二作は翻訳がないのが残念。きわめてよくできたキャラクター小説で、とくに次々と起こる怪事件の犯人と目されるパトリックは秀逸。また、捜査側ではエリーの活躍と、ウィールドの懊悩が巧みに描かれていて、非常に面白い。ミステリとしては、捜査の積み重ねの中で、パトリックの容疑が徐々に深まり晴れていく過程が細かく書き込まれている。意外性はあまりないが、サスペンス小説としての面白さは確か。(11/20)

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ポケミスのものでは、このシリーズ唯一の版元品切れ。MOTTAINAI。というよりは、これ以外の作品が現在でも入手可能ということが、シリーズの人気を物語っています。