マット・ラフ『バッド・モンキーズ』(2007)

バッド・モンキーズ

バッド・モンキーズ

 「あたしは悪を殲滅する組織の一員なのさ」――真っ白な部屋の中で、ジェインはそう語り始めた。殺人を犯した容疑で逮捕された彼女は、自分が悪と徹底的に戦う組織の一部署「バッド・モンキーズ」の構成員だと名乗り、これまでの悪との熾烈な戦いの様子を告白する。しかし、その奇天烈な語り/騙りは集められた証拠と徐々に食い違っていく。はたして、真実はどこにあるのか。捩れて狂った世界の在り様をポップでクールな文体で切り裂き、衝撃のラストを止めとばかりに叩きつける。さあ、明日はどっちだ!

 おおよそ、あらすじで書いたようなお話です。これ以上踏み込んでも、内容を損なうのみであろうと思いますので、これ以上くだくだしく何かを述べようとは思いません。かっちょいいジャケットイラストや、痺れるような帯の文句にビビッと電波を感じた方は「買え、読め、そして読了後即座に破棄せよ」(C・ムーア)の言葉通りに行動して見てください。お値段も\1200と非常に(というか異常に)リーズナブルなので、買って損はさせません。お試しあれ。